このたび、公益社団法人日本地震工学会が発行する『日本地震工学会論文集』第25巻第10号(特集号、2025年)において、当社関係者(代表取締役社長:加古嘉信、社外取締役CPO 宮里直也、シニアコンサルタント 中村昇一)による研究成果が掲載されましたのでお知らせいたします。
掲載論文①
「地震による倒壊建物内の要救助者の挟圧解除に関する研究
~要救助者の下部側に空間を確保する手法の有効性に関する技術的検討~」
著者:加古嘉信、中村昇一、吉岡利征、山根寛隆、印南千尋、玉木信吾、宮里直也
本研究では、2016年熊本地震の救助実態データを基に、兵庫県下の消防救助隊員による実証的検討を行い、挟圧解除手法に関する技術的知見を整理しました。その結果、従来の「圧迫物の挙上」「圧迫物の切除」と比較して、「要救助者下部側の空間確保」が迅速性・効率性に優れ、資機材を必要とせず汎用性が高いことを明らかにしました。
掲載論文②
「地震による倒壊家屋内での挟圧解除手法に関する研究
-『要救助者下部側の破壊・押下げ』に係る基本的力学性状の把握-」
著者:印南千尋、加古嘉信、玉木慎吾、宮里直也
本研究では、2016年熊本地震以降に有効性が確認された「要救助者下部側の破壊・押下げ」による挟圧解除手法について、床版の基本的力学性状を把握するための実証実験を行いました。その結果、救助実務の向上に有用と考えられる知見を5点整理し、開発した実験方法(試験治具・実験手順等)は今後の更なる検討・検証に有用であり、地震倒壊家屋による人的被害軽減に寄与することが期待されます。